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卵なすのカレー ~工夫?食堂~
朝、新人のメイド、ムックに買い物を頼んだ。
買って来て欲しい野菜を説明するのに、毎回相当なエネルギーを消耗する。
タイなのでタイ語が通じるとお思いだろうが、チェンマイではそうもいかなかったりするのだ。
チェンマイへ遊びに来られた方で、自分が話すタイ語(=標準語)は理解してもらえたが、相手が話す言葉が全く聞き取れなかった、という経験をされた方は意外にも多い。
というのも、チェンマイには“チェンマイ語”なる言葉が存在し、しかも、田舎出身の人たちは、さらに訛りの強い言葉を話すのだ。
例を挙げればきりが無いが、一番ショック(?)だったのは、今までウチに勤めてくれたメイドさん一人一人野菜の呼び名が違ったことだ。
これには心底驚いた。
一つの野菜にいったいいくつ名前があるの?!
私が今まで“大根”という意味で呼んでた言葉は、いったい何語だったの?!
この野菜の本当の名前はいったい何?!?
・・・と。
私も私で、いまだにタイ語の学習意欲がわかず、初心者レベルを抜け出せないままなので、余計混乱してしまったのだろうが。
・・・そんなわけで、お恥ずかしい話、私はいまだに正確な野菜の名前を把握しきれていない。
しどろもどろ汗をかきながら何とか大根、白菜、ほうれん草、サラダ菜、きのこ、キャベツまで説明し、最後の一つ、トマトの説明をしたところ、私の説明が悪かったのか、どうしても伝わらない。
仕方がないので、絵を描くことにした。↓
「この野菜わかるよね?」
ムックは絵をまじまじと見詰めながら
「えーっと・・・、わかります。多分・・・」
「多分? うむ、あやしいな。
ほら、これぐらいの大きさで、葉っぱが緑色で全体が“赤”の~・・・」
「あ、はい。わかりました」
「じゃ、5B分買ってきてね」
昼ご飯は、きのことベーコンのトマトソースパスタにしようと決めていた。
用意をしようとキッチンへ下りていき、冷蔵庫から材料を取り出す。
ん? トマトがない。
いくら探しても見付からない。
その代わり、見慣れない野菜を発見。
・・・まさか。
・・・嫌な予感・・・。
どうやらムックが買って来てくれたのは、トマトではなく
コレ↓らしかった。
自分では上に描いた絵の斜線の部分は「赤よ!」と強調したつもりが、
・・・み、みどり・・・?!?
どうして~・・・・・!?(泣)
さて、この野菜、タイ語で“マックワ”という。
英語名“Eggplant”。
タイ料理には良く使われるが、グリーンカレーを主とするカレーの類に使われるようだ。
・・・それにしても、たった5B分なのにこの量。↓
はてさて~・・・、どうやって調理、消費しよう・・・。
まず一番最初に思い浮かんだのが、ぬか漬けにしてみること。
おいしい漬けものが食べたくて、少し前からぬか漬けを始めたのだが、これが思いのほか楽しくて(+おいしくて)、今ではすっかりハマってしまっている。
タイ野菜とぬか漬け・・・。
あまりおいしくないであろうことは容易に想像出来たので、2つだけ漬けてみることにした。
一つは皮を剥いたもの。もう一つは皮ごと。
結果からいうと、見事に失敗。
丸1日漬けたが、決しておいしく食べられる代物ではなかった。
まず、皮を剥いたものは、触った感触も口に入れた感じもにゅるにゅるしていて気持ち悪い。味も日本の茄子を漬けたものとは程遠かった。
皮ごと漬けた方は、鉄のような皮は、異物の進入(?)を頑なに拒んだようで、全く漬かっておらず、生そのものだった。
前述したように、おいしくないだろうということは大体予想がついたのだが、もしかしたら!? ということもあるのでトライしてみたが、案の定の結果に終わった。(泣)
まぁ、理科の実験気分で楽しめたので、良しとするか。
他にもいろいろ考えたが、結局、無難なところで、カレー(日本風)にすることにした。
英語の直訳とは少し違うが、名付けて“卵なすのカレー”。
作り方は日本のカレーと同じ。マックワは、皮を剥き(皮を剥くか剥かないかはお好みで)6等分に切って、他の野菜や肉と一緒に炒め、煮込むだけ。
~ここで、ワンポイントアドバイス~
マックワは、皮をむいたり切ったりした後、途端に茶色く変色してしまうので、切った後はすかさず塩水につけるのがポイント。
タイ野菜の味が日本のカレーの風味を邪魔してうまくいかないんじゃないか、と心配したが、結果は、あっけなく普通のカレーに仕上がった。
味も、可もなく不可もなくいつもと同じ日本のカレーの味だった。
ただ、マックワは種が多く、煮込んでいる内に種がほぐれ、カレー全体に種が行き渡り、見てくれが悪くなってしまったのが少し残念だったが。
「料理は見た目が肝心!」と昔誰かがいっていたが、全くその通りで、料理にうるさい夫から「味は悪くないが、つぶつぶが気になる。これからは、日本のカレーにマックワを入れるのは禁止!」といわれたのは、いうまでもない。(涙)
ちなみに、タイ語でトマトは“マックワ・テート”。
そう、“マックワ”に“テート”を付けただけである。
形が似ている上(?!)、名前まで似ているとは・・・。
まぁ、しかし、また一つ新しい単語が覚えられたのだから、良しとしておこう。
インパクトのある体験をしたマックワ・テートは、恐らく二度と忘れないだろう。
後記・・・
日タイ単語集の野菜の名前を見せても、不思議そうな顔で小首を傾げるムック。
指差しのみでOKの写真入り野菜リストを作ることを目下検討中・・・。(泣)
◆このコラムは月2~3回不定期の更新です。
日々の細々は うなぎ日記 から随時更新中。
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