|
|
|
ベビーラッシュ?
ある朝、庭で小さな白いものを見付けた。
石かな? と思ったが、良く見ると石ではない。
目を凝らして見てみると、孵化した後の卵だった。
その後、朝ご飯の支度をしようとキッチンへ行くと、ゴミ箱の横にまたしても小さな卵の殻を発見。
その大きさから、恐らく庭で幅を利かせてる木登りトカゲの卵か、少し前から我が家のどこかに(?)住み着いてしまったトッケーのものだと思われた。
|
手前の小さな白いものが卵の殻。 |
トッケーとは、簡単にいうと大型ヤモリのこと。
名前の由来は、その鳴き声からきているようだ。
そう。“トッケー、トッケー”と鳴くのだ。(聞き方によっては“ケッコー”と聞こえたり“コッケー”と聞こえたりする)
住処は、屋根裏や天井、家屋の壁など。
手足に吸盤があるため、それらの場所にへばりついている。
このトッケー、鳴き声は良く耳にするが、姿はほとんど表に現さない、という不気味な一面を持っている。
実際、私の知り合いでトッケーを見たことがあるという人は極少数だ。
かくいう私は、以前一度だけトッケーを見たことがある。
・・・今の家に引っ越してきたばかりの時の話。
家の改装や庭造りは全て夫と二人でしたのだが、その日は、夫が電気の配線をしていて、私は壁にペンキを塗っていた。
夫が
「おーい。ちょっと来てみろ」
というので、ハケを置いて夫の所へ行ってみると、
「上って、壁の裏を覗いてみて」。
いわれるよう脚立に上り、壁の裏を覗き込むと、真正面にトッケーの顔が。
初のご対面だった。
蛇を大きくしたような顔で、いつ噛み付かれてもおかしくないほど接近していたので、怖くてしばらくかたまってしまった。
トッケーを刺激せぬよう、音を立てずに静かに脚立を下りた。
その時は気が動転していて、じっくり観察する余裕などなかったが、後で夫に聞くと、40cm近くある大物だったらしい。(冷汗)
我が家の住人(?)でありながら、どこかに身を潜め、滅多なことでは姿を現さないトッケーに対し、ヤモリは家中至る所に現れる。
オフィス兼住居の2階、居間のテープルに赤ちゃんヤモリが住み着くようになったのは約9ヶ月前のこと。
このヤモリの赤ちゃん、娘が生まれたのとほぼ同じ時期に生まれ、そのまま居着いてしまった。
娘の“哺乳瓶の林”(テープルの上には常に10本以上の哺乳瓶がズラリと並べてある)の中で、いつも遊びまわっている。
どうやらこの場所がお気に召したらしい。
ヤモリの赤ちゃんも人間の赤ん坊と同様、頭でっかちで体は小さくか弱い。
そんな赤ちゃんヤモリが哺乳瓶の間で遊ぶ姿が何とも愛らしくて
「キミも生まれたてだね」
と話し掛けた。
すると、一瞬動きが止まり、大きな瞳でじっとこちらを見詰め、小さくコクリと頷いた(ように見えた・・・)。
以来、妙に親近感がわき、とうとう名前まで付けてしまった。
オスかメスかもわからないが“いちご”と名付けた。
今は小さくて可愛いが、大きくなるとグロテスクな姿に変貌してしまうので、せめて名前だけでも可愛いものを、と夫が名付けてくれた。
ちなみにいちごは、娘と同様、元気にすくすく成長中だ。
今の時期、洗濯をしていると洗濯機の影から赤ちゃんヤモリが顔を出し、靴を履こうと思えば大慌てで木登りトカゲの赤ちゃんがスニーカーの中へと身を隠す。
先日は、夫が
「お客さんを連れて来た」
というので見ると、小さなヤモリの赤ちゃんが夫の背中にしがみついていた。
私は、爬虫類から昆虫、果てはゴキブリに至っても平気な方なので、どうってことない話だが、これらを受け付けない人にとっては、タイのような熱帯の国で、一軒家に住むのはかなりキツイと思う。
もっともそんな人は、こんな場所に住もうと思わないのだろうが・・・。
後記・・・
我が家は全室フローリングなのだが、一ヶ所だけこんな感じで小さな穴があいている。(→→→)
大人の指は入らない大きさなのだが、娘の指のサイズにはピッタリ。
その穴を発見すると、目をキラキラさせながら指を入れり覗き込んだりして遊ぶ娘。
私は、板の間の下にトッケーが潜んでいて、娘の指を食い千切ったら・・・、などと想像してしまい、つい「ダメ!」と叫んでしまう。
想像力豊か過ぎだろうか・・・?
◆このコラムは月2~3回不定期の更新です。
日々の細々は うなぎ日記 から随時更新中。
|
|