バタークリームの思い出
←取引のある会社さんから頂いたバタークリームのケーキ。暑い気候のせいか、タイではバタークリームがまだまだ現役なのだ。
バタークリームのケーキというと・・・
小さい頃、父に買ってもらったバースデーケーキのことを思い出す。
私の誕生日ケーキは、決まって父が卸売市場で買って来てくれるクリスマスケーキだった。
毎年クリスマスになると、父が仕入れに行ったついでに、市場内のお菓子屋さんでクリスマスケーキを3箱ぐらいまとめて買って来てくれたのだ。
ドドンっと3箱積み上げられたケーキの箱・・・
食いしん坊の私には、夢のような眺めだった。
ただ、このケーキ、いかんせんバタークリームケーキだった。
両親とも田舎の出身で、毎日焼き魚と煮しめばかり食べてる人だった。
もし子供がいなければ、ケーキなんて恐らく一生縁がなかったであろう2人・・・
そんな人たちに、バタークリームと生クリームの違いなんぞ判る筈もなく・・・。
そういった環境で育ったもので、私たち(兄、妹、そして私)にとっては、ケーキといえばバタークリームがデフォルトだった。
中学生の頃、初めて生クリームの存在を知り、その後、自分のお小遣いで生クリームのケーキを買うようになってから、その美味しさの虜になっていった・・・。
私と兄が高校生、妹が小学校高学年になった頃には、父が市場で買ってくるケーキに誰も見向きもしなくなった。
・・・さぞや父は寂しかったことだろう・・・。
久しぶりに、バタークリームのケーキを口にした。
口の中で懐かしい味が広がったと同時に
嬉しそうに微笑む当時の父の顔がふと浮かび、じんわり涙が出た。
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