子供の習い事（1）

「子供には何か楽器を習わせたいね～」

と前々からおとーちゃんと話してたんです。
個人的に“楽器を習う＝ピアノ”みたいなところがあったんですが、実は私、ピアノに対してあまりいいイメージがなかったんです・・・
というのも、小学校から中学校にかけて仲良くしてた友達はかなりの確率でピアノを習ってたんですが、何故か皆が皆ピアノのレッスンをひどく嫌ってたんです。
中には

「あ！　ピアノの練習してない！　先生に叱られるー、手叩かれるー！」

と涙目になってる子もいたりして・・・

ピアノの先生ってそんなに恐ろしいの？
ピアノってそんなに面白くないの？
じゃ～なんで習うの？？

と不思議でしょうがなかったんです。
そして“自分は絶対ピアノは習うまい”と心に誓ったのでした。


ピアノに対する印象がガラリと変わったのは、24歳の時でした。
友人の紹介で阪大の交換留学生だったドイツ人のアレックス（♂）と知り合い、とてもいい友達になったのですが、ある日、そのアレックスと数名の仲間たちと私の家（実家）でホームパーティーを開いたんです。
で、その時、アレックスが部屋の片隅で埃をかぶってたピアノを見付けて、目を輝かせながら

「ピアノだっ！！　弾きたい！　ちょっと弾かせてくれる？」

といって弾き始めたんです。
アレックスの奏でる曲はジャズっぽいステキな曲でした。
みんな無言で聴き入り、終わった後は拍手喝采！
友人Aが

「すごくいい曲だね。何て曲？」

と訊くと、

「曲名はない。即興で作ったから。エヘヘ」

とアレックス。
・・・もうね、しびれました！
何がって、楽しくてしょうがないといった表情でピアノを弾いてたアレックスの姿がまぶし過ぎて～・・・！（あ、恋心ではありません！　彼、婚約者がいましたから）
この時、ピアノの印象が180度ガラッと変わりました。
我が人生で初めて音を楽しむ人に出会えたから。
音楽って人の心を動かすものだなぁ、楽器が弾けるって素晴らしいな～、と心底思った瞬間でした。

〈つづく〉　2012/08/20(Mon)